TypeScriptの利点とは?導入によって考えられるメリットとデメリット

アプリケーションに関する新規・刷新プロジェクトでは、TypeScriptの採用率が高まっています。

本記事の要点
  • TypeScriptの利点
  • TypeScriptの導入における採用基準
  • TypeScriptの導入における評価基準

本記事では、特にチーム開発時の内容を中心にTypeScriptの利点や導入時の留意点を解説します。

目次

TypeScriptの特徴

TypeScriptは、静的型付け以外の部分はJavaScriptそのものです。

そのため、TypeScriptはJavaScriptに類似していますが、JavaScriptと異なる点としていくつかの特徴を持ちます。

以下の内容がTypeScriptの特徴になります。

TypeScriptの特徴
  • TypeScriptはJavaScriptと互換性が高い
  • TypeScriptは型定義ができる

TypeScriptはJavaScriptに静的型付けを付与した言語になります。

そのため、基本的に言語同士の互換性は非常に高いです。

また、TypeScript特有の型が存在します。

TypeScriptのメリットに関して詳細に知りたい人は、「【TypeScript】特徴やメリット・デメリットを徹底解説!」を一読ください。

TypeScriptの利点

やはり、TypeScriptの利点として静的型付けが欠かせません。

また、以下の項目が詳細なメリットになります。

TypeScriptの特徴
  • 静的型付け言語の利点① – 型安全性
  • 静的型付け言語の利点② – ドキュメント化
  • 静的型付け言語の利点③ – コードの可読性

それぞれの顕著な利点がある上で、チーム開発時におけるTypeScriptの採用基準も同時に考慮する必要があります。

チーム開発時におけるTypeScriptの採用基準

現在も多くの企業がTypeScriptの導入を検討している状況です。

しかし、現実は企業によって人的リソースは有限であり、TypeScriptへの導入・移行が最良の選択とは限らない可能性があります。

端的にTypeScriptの導入でソフトウェア品質の向上・改善を最大にしたくても、労働と時間の制約から逆効果になることも念頭に置く必要があります。

TypeScriptの採用を妨げる要因
  • チームメンバーによってTypeScriptの学習コストがかかる
  • TypeScriptの習熟度による実現可能なコードに制限がかかる
  • アーキテクチャ(設計思想)への時間が圧迫される可能性がある
  • テストとデバッグで時間不足に陥る
  • 開発スケジュールの見込み違いによりソフトウェア品質が下がる

チーム開発の難しさは、企業によって様々なケースがあり例として挙げた上記以外でもたくさん存在します。

メンバーのコーディングレベルで言えば、そもそもこれから習得するのか、JavaScriptで実現できていたコードをTypeScriptで置き換えできる習熟度なのかなど、開発チームでも温度差が生まれるはずです。

また、様々な開発工程の中でアーキテクチャへの時間がコーディングに割かれて圧迫する可能性もあります。(要件の変更など)

さらに、厳密性を高めた結果、テストやデバッグに時間を取られるケースもあるでしょう。

最悪の場合、開発スケジュールが大幅に遅れてソフトウェアの品質が下がり、プロジェクト失敗もあり得るかもしれません。

そのため、TypeScriptの採用基準を設けた上で、同時にどのような評価を設けるのか考える必要があります。

チーム開発時におけるTypeScriptの評価基準

チーム開発状況に対してTypeScriptの採用基準を設けた上で、採用基準をクリアするのか慎重に評価し選択するべきでしょう。

乱雑ではありますが、以下にいくつか例を示します。

TypeScriptの評価基準例
  • ソフトウェアの開発スケジュールや将来的なメンテナンス計画の有無
  • チームメンバーごとのTypeScript習熟度
  • チーム全体におけるTypeScriptのプログラムスタイル適正度
  • 機能に対してTypeScriptの良好サポートが受けられる状況か
  • エンジニア勉強会など社内における学習リソース提供の有無

筆者の体感では2020年以降から、フロントエンド技術界隈にて「TypeScriptが現代のトレンド」になりつつある傾向があります。

実際に、様々な利点によってソフトウェア品質の向上・改善が見受けられます。

しかし、企業によっては一部の問題を解決しながらも、開発現場の労働と時間に関しては難題も抱えてしまうケースが少なくありません。

当然ながら、TypeScript自身も年々アップデートされ、言語自体の機能が修正・改善・追加されています。

さらなるソフトウェア品質の向上が期待されていることは間違いないです。

そのため、現段階においても「TypeScriptの学習価値は十分にある。」と感じます。

一方で、チーム内でのTypeScriptの需要と各メンバーの能力に合わせ、慎重に評価し適切な採用を検討しましょう。

TypeScriptを導入・採用するメリット

開発領域としてフロントエンド・バックエンド両方でTypeScriptを導入・採用すると、多くのメリットが享受できます。

つまり、開発プロジェクト内で使用する言語が1つであることはメリットになります。

開発言語が1つであれば、以下の利点が生まれます。

TypeScriptを導入・採用するメリット
  • モジュール共有
  • 開発プロジェクト内のノウハウ共有
  • 学習コストパフォーマンス最大化

想像が容易いかと思いますが、開発領域を超えてTypeScriptで統一できれば、開発に利用するモジュールあるいはノウハウが領域間で共有できます。

また、言語2つ以上になれば学習コストが大幅に膨らみます。

そのため、統一言語としてTypeScriptを利用できれば、学習コストが減りパフォーマンスを最大化できます。

TypeScriptの開発領域

TypeScriptを習得すると、様々な開発領域で利用することができます。

なぜなら、TypeScriptはJavaScriptへコンパイルして利用する言語のためです。

そのため、JavaScriptで作れるものはTypeScriptに置き換えて考えることもできます。

以下は、TypeScriptを学習することでどんなソフトウェアを作れるか、開発領域を記載します。

TypeScriptの開発領域
  • フロントエンド開発
  • バックエンド開発
  • デスクトップアプリ開発
  • CLIアプリ開発
  • サーバーレス(FaaS)
  • インフラ構成管理(IaC)
  • Google Apps Script(GAS)
  • ブラウザ拡張ツール
  • 機械学習系ソフトウェア
  • 組み込み系ソフトウェア
  • WebAssembly

特に、最もTypeScriptを活用されているフロントエンドとバックエンドについて詳細に知りたい人は、「TypeScriptで作れるものは?企業の活用事例をもとに解説!」を一読ください。

JavaScriptからTypeScriptに移行するメリット

特にReactプロジェクトが多い中、JavaScriptからTypeScriptへ移行を考えた場合、「移行するコストは必要なのか?」と疑問かもしれません。

もちろん、開発プロジェクト全体の言語を移行するのは容易ではありません。

また、開発メンバーにおいても言語への習熟度と学習時間が必要になり、始めは生産性を低下させる可能性があります。

なぜ開発者は切り替えるのか、以下の理由が挙げられます。

JavaScriptからTypeScriptへ移行するメリット
  • エラーをコンパイル時にキャッチする
  • コードの品質と読解の向上
  • コードの保守性を担保する
  • コードの将来性を保証する

以下から、TypeScript移行のメリットを解説します。

エラーをコンパイル時にキャッチする

TypeScriptはJavaScriptと違い、静的型付け言語になります。

そのため、動的に型指定されるJavaScriptと異なり、型定義が重要になります。

また、エラーコードは運用環境にたどり着く前に、開発中のコンパイル時に検出されます。

コーディング中のフィードバックループが短縮され、運用環境での奇妙なバグで頭を抱えることが無くなります。

コードの品質と読解の向上

TypeScriptによる型定義の強制は、ほかの開発者に対してデータの種類や戻り値など、一目で理解できるよう設計されます。

コード設計自体が開発者における開発コードの品質を高めます。

また、型定義や関数の書き方など、コードベースが読みやすくなり開発コードの読解が向上します。

コードの保守性を担保する

開発チームの環境において、TypeScriptはソースコード全体に特定の標準化とコード設計・構造を強制するのに役立ちます。

複数の開発者がプロジェクトに貢献する際、TypeScriptの厳格なルールによって同じコーディングガイドラインに従う保証が担保されます。

そのため、開発プロジェクトに対して共通した作業で一貫性を保ちます。

コードの将来性を保証する

常にJavaScriptが進化する一方で、並行してTypeScriptも進化する必要があります。

つまり、TypeScriptを使用することで次世代JavaScriptの機能が実装されているため、プロジェクトを最新で最先端の状態を保てます。

そのため、TypeScriptはコーディングプロセスを総合的な観点から改善します。

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