これからプログラミング学習を始める人にとって、事前にどれぐらい勉強時間が必要か疑問だと思います。
- プログラミング習得までにかかる勉強時間は?
- プログラミング学習の継続に関するコツはあるのか?
本記事では、プログラミング学習に関する勉強時間を始め、学習の継続に関するコツなどを解説します。
一般的なプログラミング習得にかかる勉強時間は?
これからプログラミング習得に取り組む人は、各々でプログラミング言語の選択が異なります。
そのため、各プログラミング言語で必要な勉強時間は変化しますが、一般的なプログラミング習得までに必要な時間は1000時間以上と言われています。
実際に、プログラミングスクールを運営する企業調査でも、以下のデータが取れているようです。
- エンジニアになるまでの1日の平均学習時間
-
1日平均4時間24分, 期間にして平均17ヶ月
当然、独学やプログラミングスクールの活用などで学習速度/サポート体制が異なりますが、結論としてスキル習得にまとまった時間が必要であることが分かります。
プログラミング言語によって勉強時間が変化する
メジャーなプログラミング言語を学習することになりますが、メジャーな言語だけでも言語によって勉強時間が異なります。
習得難易度は各言語で異なりますが、大きく大別すると静的型付け言語と動的型付け言語で分類できます。
Java/TypeScriptのような静的型付け言語、コーディングルールをシンプルにしたRuby/Pythonといった動的型付け言語です。
例えば、静的型付け言語と動的型付け言語の違いは、「型定義」の有無など挙げられます。
純粋に学ぶべき基礎内容の数が違うことも勉強時間を変化させる要因になっています。
言語の種類 | コードの記述量 | 文法 | 勉強時間 |
---|---|---|---|
静的型付け言語 | 多い | 厳密性が問われて複雑な傾向 | 比較的長くなる傾向 |
動的型付け言語 | 少ない | 可読性が高くシンプルな傾向 | 比較的に短くなる傾向 |
あなたが立てた目的に合わせてプログラミング言語を選択する際に、学習難易度に関わるため言語の特徴を把握しておきましょう。
プログラミング習得に対して事前に知っておくべきこと
実は、プログラミング習得を目指して取り組む際に、事前に知っておくべきことがあります。
プログラミング習得で心がけるべきことは以下の内容です。
- コードを暗記しないこと
- 把握/理解に努めること
- アウトプット主義であること
一つずつプログラミングの心得を解説します。
コードを暗記しないこと
学生時代の教科にもよりますが、英語や国語の漢字・社会の歴史のように「暗記」としてプログラミングを捉えることは危険です。
結論として、プログラミングは「暗記」で取り組むことはできません。
というのも、IT業界は常にトレンドが移り変わり、そもそも暗記できる量ではありません。
現役のエンジニアもすでに理解しており、プログラミングの基本概念と本質の部分のみ把握することを心がけています。
何も見ないで作れるエンジニアはほぼおらず、基本的にネット検索を駆使しながらコード改善を実施します。
把握/理解に努めること
「コードを暗記しないこと」から地続きで関係しているのが、把握・理解に努めることです。
例えば、選択したプログラミング言語で「変数」といった文法/構文を学習し始めたとします。
プログラミングを暗記で取り組んでしまうと、いちいち変数の定義の書き方を覚えてしまいます。
しかし、重要なのは「変数」という概念があることのみを覚えます。
変数という概念さえ把握しておけば、いつでも選択したプログラミング言語名と変数でネット検索すればいいだけです。
また、「関数」や「クラス」でも同様です。
関数の書き方を覚えるのではなく、関数には引数や戻り値がある/○○に扱えるといった機能を覚えておきます。
クラスの書き方を覚えるのではなく、クラスにはオブジェクト化がありプロパティを付与できる/インスタンス化するといった機能を覚えておきます。
もっと抽象的に覚えるのであれば、「関数」「クラス」の存在のみを理解しておけば調べて詳細を把握できます。
要するに、言語で取り扱える基本概念さえ押さえておけば、いつでも情報を検索すればいいんです。
アウトプット主義であること
プログラミングは把握/理解に努めることが大切ですが、素早く脳の引き出しを見つけられるようにアウトプット主義で取り組むことです。
誰もが人生で体験した内容を話すわけですが、プログラミングも体験ベースで経験値を積むことで引き出しの数と引き出す速度に影響します。
そのため、プログラミングは座学のようにインプットの割合だけでなく、アウトプットの割合も増やすことで驚くほど習得時間を短縮できます。
プログラミングの勉強時間を確保するコツ
プログラミングの勉強に取り組む上で課題になるのが「勉強時間の確保」です。
せっかくプログラミング学習を始めたのに、途中で勉強時間を確保できず特に独学で挫折する人が多いです。
ここでは、プログラミングの勉強時間を確保するコツを紹介します。
- インプット時間とアウトプット時間を分ける
- 日常の行動を洗い出して見直す
- 勉強時間中の目的を計画的に定めておく
インプット時間とアウトプット時間を分ける
意外と学習内容をインプットする時間とアウトプットする時間を同時に実施する人がいます。
インプット/アウトプットを同時に実施してしまうと、次から次へと疑問や不明点が湧き出て終わりが見えなくなります。
具体的に、「この日は○○の内容をインプットする時間にしよう。」「この日は○○を検証するアウトプットの時間にしよう。」と決めることです。
インプットによって仮説を考える時間、アウトプットによって仮説を検証してる時間と分けることで定着度が高まります。
限られた時間を特定の内容のみに使えて深い理解につながります。
日常の行動を洗い出して見直す
年単位でプログラミングレベルを高める場合、日常の行動を変える必要があります。
十中八九、スマホの使用時間が大半を奪っていると予想していますが、スマホの使用状況が時間確保のカギになります。
また、起床してから時間が経つほど、今日のタスクが頭に浮かび上がってプログラミング学習の優先度がどんどん下がります。
その日のタスクが始まる前の「朝活」がおすすめです。
勉強時間中の目的を計画的に定めておく
上記のインプット/アウトプットを分けるに関係しますが、勉強時間中の目的を先んじて決めることが重要です。
プログラミング学習は内容が膨大なだけに、派生した情報をどんどん検索してしまい、無駄な時間を要することが非常に多いです。
「○○の△△を理解したい。」「××のエラーを解決したい。」と決めたなら、その課題が解決したかだけフォーカスし他の情報を見ないことも時間を活用するのに有効です。
プログラミング学習を継続するコツ
残念ながら、プログラミングの勉強時間を確保できたとしても継続した学習が苦手な人がいます。
個人的に感じるのが、「勉強時間を確保しても、いざその時間になったら取り組むことが定まっていない」イメージがあります。
- プログラミング学習の内容を洗い出す
- プログラミングの情報を整理する
- PCに向き合う時点で取り組めるか決まる
プログラミング学習の内容を洗い出す
プログラミング学習時に選んだ言語の基礎を学ぶことから始めるのが大半ですが、書籍/オンライン教材やネット情報を見て改めて洗い出すことをおすすめします。
特に、学習したい内容を自身でリスト化することで各内容に対して日程も組みやすくなります。
プログラミングに限らず、重要なのは明確なその日の学習対象とあなたが対象に対して実施するアクション内容、そして毎日継続できるの学習範囲で留めることです。
プログラミングの情報を整理する
プログラミングの学習対象を洗い出し、リスト化できるとインプットとアウトプットの情報を整理しやすくなります。
実際に、対象になった特定の学習内容を勉強していると、分からない専門用語やコード実行結果がまとめられると思います。
専門用語あるいは実行結果に対する解釈をインプットするために検索すべき情報をまとめたり、インプットでまとめた情報から検証しないといまいち直感に反する実行結果が存在することも分かります。
そのため、自身でインプット中に浮かんだ仮説をアウトプット時に試し、体験ベースで経験を積み上げていきましょう。
PCに向き合う前から学習対象に集中して取り組めるか決まる
上記の洗い出しと整理の段階で分かる通り、PCの前に座ってから考え始める人がいます。
「今日は何から始めようかな。」と考えながらネット検索するうちに、ただただ目の前の気になる情報だけを次から次へ調べ続け、無駄な時間と最短学習から遠ざかってしまいます。
学生であっても社会人であっても、それぞれの環境でプログラミングの勉強時間は限られています。
いかに時間を確保し継続したプログラミング学習を実施するかで、数ヶ月から年単位にかけて習熟度と進捗度に大きな差が生まれるでしょう。